パッケージ保険商品の種類
パッケージ商品というのは、対人・対物補償、搭乗者傷
害や車両保険など、いくつかの保険を組み合わせてバラ
ンスよくまとめてセットにしてある保険商品です。
パッケージ商品は補償の内容によって、
・自家用自動車総合保険(SAP)
・自動車総合保険(PAP)
・自動車保険(BAP)
・自動車運転者損害賠償責任保険(ドライバー保険)の4種類があります。
ただ最近はこういったパッケージ商品よりも、自分の欲しい保
険だけを組合わせて加入するスタイルが一般的になっています。
「各種保険パッケージ商品一覧」
保険の種類 |
SAP |
PAP |
BAP |
ドライバー保険 |
---|---|---|---|---|
対人賠償保険 |
O |
O |
△ |
O |
対物賠償保険 |
O |
O |
△ |
O |
搭乗者傷害保険 |
O |
O |
− |
− |
人身傷害保険 |
△ |
△ |
△ |
△ |
自損事故傷害保険 |
O |
O |
△ |
O |
無保険車傷害保険 |
O |
O |
− |
− |
車両保険 |
O |
△ |
△ |
− |
自動車保険が完全自由化された今では、上記のSAP・PAP・BAP
・ドライバー保険以外にも、自分の必要な保険・特約だけを組み
合わせて加入できる自動車保険が主流になりつつあります。
「SAP(自家用自動車総合保険)」
まず最も補償が充実しているのが、SAP(ス
ペシャル・オートモービル・ポリシー)です。
SAPは対人・対物・自損事故・搭乗者傷害・無保険
車傷害・車両保険の6種類がセットになっていて、
対人・対物ともに示談交渉を保険会社が代行してく
れる完全パッケージと言われる保険商品です。
また、人身傷害保険には任意で加入することができます。
SAPは、
・自家用普通乗用車
・小型乗用車
・軽四輪乗用車
・小型貨物車
・軽四輪貨物車の5種類のみが契約可能。
SAPは補償内容、サービス内容は最高なんですが、やはりその
分、保険料も割高になってしまうのが欠点かもしれませんね。
各保険それぞれの補償限度額は、定められた金額の中
から自分で選ぶことができるように工夫されています。
「PAP(自家用自動車保険)」
対人・対物・自損事故・無保険車傷害・搭乗者傷害が
セットになっている基本的なパッケージ商品が、この
PAP(パッケージ・オートモービル・ポリシー)です。
必要であれば、任意で人身傷害保険・車
両保険を追加で契約することができます。
PAPは営業用のトラックやバイクなども
含めて、すべての自動車が加入できます。
また、PAPはSAPと違って対人事故の示談交渉のサービスはあります
が、対物事故の示談交渉サービスは付いていないため注意が必要です。
ただ、保険会社によっては対物の示談交渉サービスがあると
ころもあるので、この辺は保険会社で確認しておきましょう。
「BAP(一般自動車保険)」
SAP、PAPがセット商品だったのに対して、このBAP(ベーシック
・オートモービル・ポリシー)は、加入者が自分の加入したい保険
を選んで加入することができるバラ売りタイプの自動車保険です。
基本契約として対人賠償保険には必ず加入することが前提で、
対物や搭乗者傷害などは個別に加入する形になっています。
対人賠償保険に加入することで、自動的に自
損事故保険も付帯されるようになっています。
BAPは全ての車種で契約できますが、示談交渉サービ
スは一切付いていないので、これまた注意が必要です。
SAPやPAPだと保険料が割高なので、対人・対物だけに加入
して、最低限他者に対しての賠償責任だけは果たしたいとい
うような場合におすすめできる保険であると言えます。
「ドライバー保険(自動車運転者損害賠償責任保険)」
ドライバー保険は、車は持っていないけどレンタカーなど
他人の車をときどき運転するといった人向けの保険です。
ドライバー保険は、友人の車を借りて事故を起こ
したりレンタカーを借りて事故にあった場合など
に補償を受けることが出来るというものです。
ただし、家族を含めた親族の車を借りて交通事故を起こし
た場合などは、補償の対象外なので注意しておきましょう。
普通自動車免許を持っていれば誰でも加入することができます
し、対人・対物事故の示談交渉も保険会社が代行してくれます。
他人から借りた車で事故を起こした場合は、借りた車に付い
ている保険よりもドライバー保険が優先して支払われます。
これは、例えば友人から借りた車の保険が先に使われたりする
と事故を起こしていない友人の等級が下がり、翌年から支払う
保険料が増えたりして迷惑をかけることになってしまいます。
自分が加入しているドライバー保険から先に支払われ
れば、友人にも迷惑をかけずに済むというわけです。
運転していた自分が起こした事故なので、当然と言えば当然ですが。
郵便局で加入できる自動車保険
全国にネットワークを持つ郵便局では、
自動車保険の取り扱いをしています。
日本郵政株式会社が損害保険会社のように単体として保
険商品を販売しているのではなく、複数の損害保険会社
と代理店契約を結び自動車保険商品を販売しています。
加入は郵便局の窓口、もしくは郵便局の担当セールスマンを通じて行います。
自宅の近くにある郵便局で加入することもできますし、担当
者が自宅を訪問し手続きをしてもらう方法と同じで、契約書
に必要事項を記入し著名捺印をすることで加入できます。
また、保険料の支払いは郵便局の口座引き落としも選択できます。
さて、郵便局で取り扱いをしている損害保険会
社は東京海上日動やあいおいニッセイ同和損保
など、大手の保険会社5社の共同保険です。
・東京海上日動
・あいおいニッセイ同和損保
・損保ジャパン日本興亜
・三井住友海上
・AIG損保
ところで、共同保険というのはあまり聞きなれない
言葉ですが、一般的には自動車保険にしても火災保
険にしても1社の保険会社で運営しています。
しかし、保険会社同士が同じ商品を販売す
るのはそれほど珍しいことではありません。
共同保険が使われる一番の理由は、リスクの分散です。
保険商品の販売は収益を得られるとは限ら
ず、逆に損をしてしまう場合もあります。
他の保険会社と共同でその保険を運営することで、
リスクを分散するということがよく行われます。
なお、よく似た制度に再保険というものがあります。
こちらは、商品を販売した保険会社が別の
保険会社に対して保険を掛けることです。
保険会社は保険事故が起こらない限り再保険会
社に保険料の一部を渡し、保険事故が起こった
ら保険金の一部を再保険会社に請求します。
さて、郵便局から自動車保険に加入するメリットは何でしょうか?
郵便局で自動車保険に加入するメリットに、
全国規模で展開しているという点があります。
全国規模で同様のサービスが受けられる
のは、郵便局ならではのメリットです。
転勤族の方でも転居先の郵便局の窓口で保険に関する相談
をすることができますし、保険契約の変更手続きや住所変
更などの手続きについてもサポートしてくれるでしょう。
また、預貯金や他のサービスと合わせて窓口
を一本化できるというメリットもあります。
代理店経由での加入の場合、預貯金、公共料金の支払いや
納税などは銀行や郵便局などの別の窓口での手続きになっ
てしまいますが、郵便局ならその手間がなくなります。
自宅から近い場所にある郵便局を利用できるので、お年
寄りの方でも安心して保険相談などのサービスを受けら
れるのも郵便局ならではのメリットだと思います。
とはいえ、万が一事故に遭った場合のサポ
ートは契約する自動車保険会社が行います。
つまり、郵便局はあくまでも自動車
保険契約の入り口だということです。
また、郵便局から自動車保険に加入したからといって
保険料が安くなったり補償が充実するわけではありま
せんので、この点は誤解のないようにお願いします。
郵便局はいわゆる代理店の扱いなので取り扱い郵便局のセー
ルスパーソンが相談に乗ってくれますが、郵便局ならではの
サービスやオプションはないといったところが現状です。
自動車保険を何に重視するかによって変わってきますが、保険料
の安さを求めるのならダイレクト型自動車保険がおすすめです。
また、代理店型とダイレクト型自動車保険双方を
比較してから決めるというのも良いと思います。
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