保険会社が倒産したら?
自動車保険会社も一般企業ですから倒産しないということはありません。
不良債権が問題となった平成12年前後には、自動車
保険会社でも倒産した会社が現実に存在しました。
ですから、大手の自動車保険会社とはいえ、絶
対に倒産しないとは言い切れないのであります。
さて、契約している自動車保険会社が破綻した場合、破綻
前に交通事故などを起こしていなければ、速やかに新しい
保険会社と新規契約を締結したほうが良いでしょう。
手続きや費用の点で多少の犠牲は伴いますが、自動車の任意保険
への加入は必須ですので、早めに健全な会社と契約を交わします。
「倒産前後に事故を起こした場合の対応」
一方、契約している保険会社の破綻の前後に保険給付が必要
となる事故を起こしている場合には、事情は少々複雑です。
一応は、破綻会社の契約は損害保険契約者保護機構が
引き継ぎますから、保険会社の破綻によって事故の補
償が受けられなくなるということはありません。
しかし、損害保険契約者保護機構により保険金の支払いは、事故後3ヶ
月以内であれば従前の契約の100%の金額が支払われますが、事故後3
ヶ月を経過すると従前の契約の80%の金額しか支払われなくなります。
ですから、契約している保険会社の破綻の前後に事故を起こしてい
る場合には、大至急保険給付に関する手続きを行う必要があります。
あるいは、事故の保険給付の100%を引き継いでくれる保
険会社があれば、その保険会社と契約する方法もあります。
「解約返戻金は戻ってくるのか?」
ところで、保険会社が破綻すればその会社との保険契約は解約
するのですが、その際に解約返戻金は戻ってくるのでしょうか。
その答えは、会社が倒産しているので解約返戻
金はほとんど戻ってこないのが現実のようです。
ただし、契約金返戻の業務も損害補償契約者保護機構に引き
継がれますから、解約返戻金を機構が支払う場合もあります。
しかし、その場合でも解約返戻金の全額が支払われるわけ
ではなく、支払われる金額は全体の80%となっています。
ソルベンシー・マージン比率とは
ソルベンシーマージン比率という言葉を聞いたこと
がある方は少ないと思いますが、これは保険会社が
大災害などの予期しない事態に遭遇した時に、保険
金を支払う能力があるかどうかを示す数字です。
簡単に言えば、どれだけ経営破綻しにくい保険会社かの指標です。
ソルベンシーマージン比率の計算方法としては、有価証券
の含み益などの自己資本額、つまり支払い余力を大災害や
資産運用による損失などにより発生する、予想を超えたリ
スクの半分で割った数字をパーセント表示します。
わかりにくいと思いますが、例えばソルベンシーマージン比
率が200%の場合、リスク総額と支払い余力の総額が同じと
いうことになり、万が一の大災害などが発生した場合、ギリ
ギリで保険料の支払いができるということになります。
このことから、ソルベンシーマージン比率が200%を
下回った保険会社に対しては、金融庁が早期是正措置
を発動して経営の改善を求めるようになります。
逆に言えば、ソルベンシーマージン比率が200%を超えていれば
万が一のことが起きても安全な会社ということになりますが、過
去には200%を超えているにも関わらず破綻した会社もあり、こ
の比率だけで保険会社を決めることは良いとは言えません。
この比率が高ければ高いほど経営が安定しているという
ことにもなり、契約者からの信用が得られるので、各保
険会社はソルベンシーマージン比率を高くするように努
力していて、中には1,000%を超える会社もあります。
ただし設立からあまり年数が経っていない保険会社の場合、自己
資本に見合うリスクをとっていないこともあり、一般的に比較的
高い比率となりますので、この比率と保険会社の設立年度、近年
の経営状況などを見て総合的に判断する必要があります。
自動車保険においても、保険会社が破綻してしまうとこれ
までの保険料が無駄になってしまったり他の保険会社に乗
り換えが必要になったりすることがあり、契約を検討する
際の重要な判断材料となりますので、保険料や補償内容以
外にもこの比率を事前に調べておくと良いでしょう。
調べる方法は非常に簡単です。
検索エンジンなどで「ソルベンシーマージン比
率」で検索すると、各保険会社の数値一覧を年
度ごとに記載しているサイトが多数あります。
保険内容、保険料と合わせて事前にしっかりと確認
し、安心できる保険会社を選ぶようにしましょう。
保険アドバイザーとファイナンシャルプランナーの違い
保険アドバイザーとファイナンシャル
プランナーは似ているようで違います。
ファイナンシャルプランナーは、金融について詳し
い知識を持っているということを証明する資格です。
この資格には、その知識や経験に応じていくつかの階級があります。
いっぽう、保険アドバイザーとは保険外交員のことです。
最近の保険アドバイザーは、ファイナンシャルプラ
ンナーの資格も取得するのが一般的となっています。
それは、ファイナンシャルプランナーの資格は保
険アドバイザーの業務にとても役立つためです。
したがって、ファイナンシャルプランナーの資格を持っておらず
保険アドバイザーのみの資格を持っている保険外交員は、入社し
たばかりで経験が浅い保険外交員であると言えるでしょう。
ファイナンシャルプランナーの資格を持っている経験豊
かな保険アドバイザーならば、一人ひとりに最適な保険
を提案することができるとその評価は実に高いです。
例えば、自動車保険の更新を数年忘れてしま
ったという場合はどうすればいいかという質
問にも、的確なアドバイスをしてくれます。
自動車保険の更新を数年間忘れてしまい他の会社の
保険に入り直したいという場合、更新し忘れた元の
自動車保険の保険証書を必要とすることなく、新し
い自動車保険に加入することができるのです。
ただし、改めて自動車保険に加入し直す場合、インターネッ
トでは加入し直せないこともありますので注意が必要です。
また家族の自動車保険をどうするかという時
にも、経験が豊富な保険アドバイザーに相談
すれば最適な選択をすることができます。
一例ですが、子供が就職するので母親名義の車を購入して使わ
せたいという場合、どんな補償を付けた自動車保険を選べば良
いかということを相談すれば、初めて車を運転する人が起こし
やすいバンパーやドア部分、テールランプ付近の事故のケース
から車両保険を追加する場合、相談者が加入しようと思ってい
る自動車保険会社の場合は、どのようなタイプの保険にすれば
良いかということまでアドバイスしてくれます。
自動車保険を大幅に見直したいという時にも、ファイナ
ンシャルプランナーの資格を持っている保険アドバイザ
ーのサポートを受けますと、保険料を節約しながら最適
な補償を自動車保険に付けることができるのです。
一つの家族で、更新時期の違う数社の自動車保険に入って
いて複数の車を持っている人の場合、複数の保険で重複し
た補償となれば保険料を下げることだって可能となります。
人身傷害の補償については、1台の自動車保険だけ加
入していればその保険加入者の家族も補償の対象にな
るため、他の車では加入する必要はないのです。
また、おすすめだとされる弁護士費用特約もあれ
ば便利な補償ですが、これも1台の自動車保険に
付けておけば済むので、他の車の特約を外せば保
険料の負担を減らすことだってできるでしょう。
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