自転車との事故の過失割合
車を運転するドライバーにとって、路肩を走る自
転車の存在を邪魔に感じる人も多いと思います。
特に最近はお年寄りが増え、自転車で走
る高齢者の事故が増加しているようです。
「交通事故の判例」
営業車で取引先廻りを終え勤務先前まで戻ってきたAさん(42歳)。
得意先のクレーム処理の仕方を考えながら運転していた。
勤務先前の道路は南北に走る片側1車線道路である。
Aさんは南から北へ走行し、右折合図を出しながら対向車線の向
こう側にある勤務先駐車場へ入ろうとした時、対向車線を大型
バイクが北から南へものすごいスピードで走ってきたため、い
つもなら徐行して入るところを慌ててアクセルを踏み込み、時
速20kmくらいでバイクが来るまでに右折しようとした。
事故が起きるときは不運が重なるもので、Aさんが勤務先駐
車場へ進入しようとしたその時、南から北へ対向車線の路
肩を自転車で走行してきたのが、近くのスーパーで買い物
をして帰宅途中のBさんという高齢の女性だった。
Aさんの営業車はBさんの自転車の左横からまと
もに衝突し、自転車もろともBさんを約2m先の
Aさんの勤務先駐車場内まで跳ね飛ばした。
Bさんは手足の打撲・捻挫はもちろん、左大腿骨頸部を骨折し、
高齢だったために大腿骨と骨盤を金属で固定する手術を受けた。
医師によれば、リハビリをしても杖を突いて歩
くことになるだろうという診断結果となった。
自転車は路側帯走行が認められている
Aさんは対向車線の大型バイクの接近ばかりに気を取ら
れ、自転車の存在を衝突するまで気づいていなかった。
過失割合は、基本判例ではAさん90Bさん10という結果に。
壊れた自転車や衣料、その他の物損は営業車なので会社が
加入していた保険会社の対物賠償保険で支払われたが、B
さんの手術費用等の医療費は自賠責保険で賄われた。
BさんはAさんから見た対向車線の路肩(南から北へ向かう道路
全体で見れば右端)を走行していたことになるが、自転車は路
側帯の走行が認められているので過失には当たらないのである。
自動車は自転車より弱いのが交通事故の世界
車を運転するドライバーに知っておいて欲しいことは、
道路交通法上は自転車も車両扱いになっていますが、
自転車がよほど交通法規を無視した走行をしない限り
歩行者並みに強い立場であるということです。
車対車の事故に比べ、車対自転車の事故では同等
の過失を犯しても車が圧倒的に不利になります。
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